現地採用で海外就職する場合に考えなおして欲しい3つのチェックポイント

近年は気軽に海外で就職できる時代

先日、私の日本にいる友人(以降、彼はモーガン・フリーマンに似ているので、モーガンとします)からメールを受信しました。モーガン曰く、「タイで働きたいから、情報が欲しい」という内容のメールでした。

モーガンは日本での就労経験は十分にあるのですが、海外経験がないため、海外で働くための情報、特に現地採用として働くための情報が全くありませんでした。だから、タイに在住する私に連絡が来たということです。

私は先ず最初に人材紹介会社のリストを渡し、そのWebサイトを熟読するように言いました。ただ、「人材紹介会社のWebサイトを100% 信じるな!」と伝えました。

今の世の中、インターネットで多くの情報を収集できるようになりました。ですが、情報も雑多にあり、玉石混淆です。人材紹介会社も営利を目的として企業活動していますので、運営するWebサイトも良い面ばかりを紹介し、正直なデメリットを紹介していないことが殆どです。そのため、甘い言葉で海外で働くことは良いことだと、進めているような人材紹介会社もあります。

海外で働く場合、日本より良いことも多いです。ですが、本当のことを伝えない人材紹介会社も多いため、海外に来てから「騙された」と思う人も多いと思います。

私は、モーガンに言いました。「タイで現地採用として働くことは簡単だよ。でも、モーガンは今から言うことを考えたことはある?」と聞いてみました。

海外で現地採用になる前に考えて欲しいこと

私がモーガンに言ったことは、以下の3つのようなことです。今回はモーガンに対して確認しましたが、他の人に相談された場合でも必ず聞くようにしています。それは海外で現地採用で働く場合においては、3つの覚悟が必要となることです。

1.将来のビジョンはあるのか?

海外で就職する目的を考えたことはあるでしょうか?

私の周りには、「一度海外で働いてみたかった」という人が多くいます。ですが、海外で働いて、その経験をどのように活かしたいのかまで考えている人はあまりいません。

将来のビジョンは重要です。雇用する企業からも、もしタイで面接を受ける場合、何故タイで働きたいのか、将来のタイでのビジョンはあるのか、という質問が出るのは当たり前です。

ぜひ、将来のビジョンについて考えてください。これは、就職先の会社のためのビジョンではなく、現地採用で働く皆さんの将来について考えて下さい。

こんなはずではなかった、と思うことがないように。

2.求人募集の採用条件はどこまで妥協できるか?

企業も足元を見て採用しています。足元と言うのは、タイは日本よりも物価が安いため、「日本と同じ程度の給料を支給する必要はない」と考えています。これは、採用される人がどんなに優秀であったとしてもです。

はっきり言いますが、現地採用の日本人に対する待遇は、日本とは雲泥の差です。例えば、以下のようなことです。

  • 退職金制度が無い
  • 健康保険の適応範囲が狭い(ある程度の自腹が必要)
  • 駐在員と比較すると給与が安く待遇が良くない

条件が良い企業を選ぶことは海外での就職/転職活動において必須です。ある意味、ジョブホッピングを上手く使い、良い条件の会社を見つけるたびに転職を繰り返す必要もあるかもしれません。

3.どのような業界で働くのか?

日系企業の現地採用の場合、過去の経歴でどのような業界で働いてきたかが重要です。たしかに、業界関係なく就職することは可能です。ですが、あなたが働きたいと考える業界と言うのは絶対に妥協しないことをおすすめします。

業界での経験を変えないことは、あなたのキャリアを形成する上でたいへん重要です。

もちろん、新しい業界でチャレンジしたいと考えることも大事です。そして、業界を変えることは海外では簡単かもしれません。ですが、あなたの将来のキャリアプランとして、妥当かどうかを検討することは忘れないで下さい。

現地採用でも駐在員に負けない待遇を勝ち取る

必ずしも現地採用者の給与や待遇が低いとは言い切れません。例えば、日系企業でも駐在員候補であれば、駐在員になることが出来き、手厚い福利厚生を受けることも可能になります。また、欧米系やタイ現地の会社の場合、成果報酬で評価されることが多いので、自身で成果を出せば出すほど、給与や賞与もうなぎ上りになることもいえます。

また、タイ現地採用でもハイレベルな役職に就くことも可能です。たとえば企業の Managing Director などは、企業経営を任されるので、企業運営が上手くいき、売上も拡大していけば、自身の給与もどんどん高くなることは間違いありません。

タイで就職する前は情報収集と自己分析をする

以前と比べて海外就職はとても身近になりました。一方、海外で働くことが必ずしも日本で働く環境より良くなるとか、楽になるとかということはありません。そのためにも情報収集をしっかり行い、自身が本当に現地採用でチャレンジしてみたいのか自己分析することが重要だといえます。

海外で働きたいと思うことは悪いことではありませんし、将来的に大きな経験になることもあると思います。やらずに後悔するよりは、やってから後悔するほうが良いですし。

せっかくの人生ですから、海外でのビジネスに少しでもチャレンジしたいと思ったら、やっぱり行動を起こして欲しいと思います。ウダウダ考える前に先ずは行動。