日系企業での奇妙な挨拶習慣
社内で「お疲れ様です!」と挨拶する光景をよく見ます。当然ながら、自分自身も「お疲れ様です!」、と声をかけて頂く事も多々あります。
ですが、早朝から「お疲れ様」という挨拶をする人が多すぎないですか?逆に、これって私の知る範囲だけでしょうか...。
朝出社して1時間も経たないうちに会議に参加したとき、会議の主催者が「お疲れ様です。会議のご参加ありがとうございます。」と言われることが毎週ありました。また、朝から別部門の方に社内電話をかけた場合でも、電話での挨拶が「お疲れ様です」と言われてしまいます。
他にも、朝の時間帯に送信されているメールをチェックすると、差出人の冒頭挨拶がやっぱり「お疲れ様です。」から始まる文章となっているメールの多いこと、多いこと。
私って傍から見たら、疲れているように見えるのかと疑念を抱くほど、頻繁に受ける「お疲れ様です!」の挨拶。心の中では「まだ朝なんで、まったく疲れてへんわ。」と思いつつも、返答は「おはようございます。」で返すようにしています。
無駄に長い始まりの言葉
メールでの受信文を見ていると、日本語のメールは本当に無駄な冒頭の文章が多いことが見受けられます。
特に社内でのメールにも関わらず、用件を単刀直入に言わずに、先ずは時候の挨拶のごとく、「お疲れ様です」からダラダラと文章が始まる内容が多いです。
かといって、本題の用件はポイントを明示した、簡潔な内容かと言うと、そうでないことが多いです。本当に無駄なことが書かれていて、何が言いたいのか理解が困難になるメールを多々受信します。
日本語の文章は、色々と書き出すと簡単に冗長的な文章になりがちです。ただ、多くの人が挨拶文から始まる冗長メールを送るせいで、周りの人や新人などが影響を受けてか、同じような挨拶文を多用するようになってしまいます。
本当に必要な要件を伝えればよいのに、無駄な文章を書き、受信者にも読ませるという悪循環から、無駄な時間を2重に費やしていると思います。
英語なら用件を単刀直入に伝えやすい
海外で働きだしてから思うのは、英語でのコミュニケーションを多用するようになると、無駄な挨拶が殆どなくなることです。実際のネイティブ・スピーカーたちの同士の習慣は知りませんが...。
英語でのメールのやり取りなら、挨拶も何もなしに、いきなり用件が記載されています。
何度もメールを送受信する仲なら、「Dear」などの相手の名前をも省略されるようになります。送信/返信するときは、こちらも同様に対応するだけなので、たいへん楽です。
逆に海外では、社内等ですれ違いざまの時の挨拶が簡単に終わらないことが多いような気もします。ただし、表面的な挨拶ではなく、「昨日はどこ行ったの?」や「今日の予定は?」、「昼食は一緒に食べに行かない?」など、会話が続くような質問を受けることが多いです。
深みに嵌ると話をなかなか切り上げることが出来ず、立ち話で何十分も費やしていることは日常茶飯事なのですが。
挨拶は適切な場面で使い分けるべきでは?
朝は「おはようございます」、昼は「こんにちは」、夜は「こんばんは」。出かける方には「行ってらっしゃい」、帰ってきた方には「お帰りなさい」。そして、帰宅される方には「お疲れ様でした」と言うだけだと思います。
簡単な使い分けなのに、常に「お疲れ様です」しかいえていないのは、思考が停止してしまっているではないでしょうか。ちょっとした挨拶の言葉の使い分けで、相手が受ける印象が変わると思います。
よく似た話なのですが、メール送信するときに定型文を自動挿入する人がいます。確かに効率が良いのかもしれません。ですが、「いつも大変お世話になっております」から始まる文章を、初めてメールを送る相手にも使っている人を見ると、仕事が出来ない人だと思ってしまいます。
日本人以上に日本語を使い分けるタイ人
職場で日本語が堪能なタイ人のほうが、よっぽど挨拶に関しては上手です。
本当に疲れているように見えたら「お疲れのようですが、昨日は飲みすぎですか?」や、難しい顔をしていると「女の子にもてませんよ!?」というギャグを織り交ぜてきたりします。どこで、こんな上級な日本語を習得したのか、日本人以上に相手の気持ちを引き出すテクニックを持っているタイ人には脱帽です。
でも、本当に仕事で疲れているときに、お疲れ様と言って欲しいあの子には、無視される毎日で、心が少し折れそうな今日この頃です...。
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