タイで便利な移動手段となるバイクとバイクタクシー

バイクやバイクタクシーは便利な交通手段

タイでの生活においては、如何に交通渋滞を避けながら移動できるか常日頃から考えています。タイの特にバンコクにおいては、どこかへ行こうと考えると、先ずは渋滞による時間ロスを考えながら移動方法が決めます。

渋滞を気にせず移動できる場合は良いのですが、渋滞とは関係ない移動の場合というのは、以下のような条件に当てはまるときだけではないでしょうか。

  • MRTやBTSと徒歩で行けるような場所へ行く場合
  • 交通渋滞の少ない時間帯にタクシーやバスで移動する場合
  • 移動する際に時間の制約がない場合

ですが、渋滞だったとしても気にせず車で移動できることは稀では無いでしょうか。そこで、渋滞だったとしても移動をより確実にできる方法が、バイクです。タイではバイクタクシーも営業しているので、気軽にバイクでの移動が可能です。私は顧客訪問に社有車で移動するのですが、どうしても渋滞で間に合いそうにないことが多々あったのですが、その際にバイタクに乗り換え、事なきをえた経験が何度もあります。

2016年のタイのバイク産業と市場

タイの民間企業で結成された経済団体の1つタイ工業連盟(FTI: Federation of Thai Industries)の自動車部会が、タイ国内におけるバイクの生産台数と販売台数を発表していますが、その集計結果は以下の通りです。

2015年と2016年のタイ国内の自動二輪車の生産台数

タイ国内の自動二輪車メーカー全社の生産した台数を集計した結果は次の通りです。

  • 2016年通年: 244万6,249台(2015年比: 2%増)
  • 2015年通年: 239万7,427台(2014年比: 1.8%減)

2015年と2016年のタイ国内の自動二輪車の販売台数

  • 2016年通年: 173万8,231台台(2015年比: 6%増)
  • 2015年通年: 163万9,090台(2014年比: 3.7%減)

完成車や部品を含んだ自動二輪車に関する輸出総額は、2015年比で 2.7%増となり、総額525.7億バーツだったそうです。2016年は、2015年より生産台数および販売台数が増加しているので、少しはタイ国内の景気も良くなっているのでしょうか。最近タイでは、大型バイク市場も顕在化が進んでおり、モーターショーでの大型バイクの展示が目立つようになっていますし、ビッグスクーターのような車種も今のタイでは人気となっています。そのため、バイク自体が生活の交通手段としてだけでなく、ファッションとしても考えられるようになってきたのかと思います。

タイで走行するバイクの数が減った

2016年は前年比でタイ国内の販売台数が増加した結果となりましたが、仮にこれが一過性の結果であり、今後減少が続いていくとするならば、街中で走るバイクの数が減っていくのは確かです。実際に十数年前に比べても、バンコク市内で走行するバイクの数が減ったように思います。

当然ながらバイクの数が減る一方で、四輪自動車の数は増えていとは思いますし、BTS や MRT の路線開通でバイクでの移動機会も減ったということも考えられると思います。いずれにしても、交通渋滞は今後も継続してタイの社会問題として大きな課題と言えます。

一方で車に運転する/乗る側からすれば、まだまだバンコクですら公共の交通機関が日本のように発達していないのに、バス以外の移動手段が選択できないエリアではどうしようもない、というのが実情です。

最近ではバンコクの郊外にマンションや一戸建て住居を購入する中層階級や富裕層の方々が増えているので、彼らがバンコクに移動するための交通手段が車になってしまっているのは、当然なのかと思います。

バイクとバイタクは庶民の味方

一方でバイクやバイタク(バイクタクシー)には、多くのメリットがあります。交通渋滞が酷い時間帯(例えば、朝の出社時間や、夕方の帰宅時間)に、渋滞を避けて短時間で移動することが可能になります。

また、タイではソイと呼ばれる大通りから街中に伸びる細い道を移動するときには、バイクやバイタクが重宝します。

家から買い物に行くのに、歩いていくには少し遠いときにバイクやバイタクを使えば、その便利さを痛感すると思います。バイクを持っていると、逆に歩いても良いような距離を、ついついバイクで移動してしまったりするのですが。

バイクやバイタクに乗る際のデメリットを1点挙げるとすれば、雨が降っているときの移動手段に使えないことです(小雨であれば、カッパを着るという回避策もありますが)。ソンクラーンが終わった後の雨季では、激しい豪雨が1時間~2時間ぐらい続くことはよくあるため、その間は移動することができなくなってしまうことも多々あります。

バイクやバイタクの危険性

タイでは販売台数が減っているとはいえ、日本などと比べた場合には、まだまだ圧倒的に走行している台数が多いです。そのため、バイクやバイタクの事故が多く起こっているのが現実です。

以前、友人と晩御飯を食べていたとき、店の目の前の交差点で2時間ぐらいの間に2回の事故を目撃しました。信号が無い交差点だったことも、大きな原因の1つだったかもしれませんが。幸いその事故に合った方は、軽い怪我で済んでいたようだったのが、不幸中の幸いかもしれません。

事故でよくあるのは、ソイから出て行くバイクが、通りを走ってきた車にぶつかる事故です。この手の事故はよく見ますし、日常茶飯事というぐらい多いのかもしれません。

また、バイタクに乗ったときにヘルメットを被らない、またはバイタクの運転手にヘルメットを渡されないということも、事故で大きな怪我に繋がる要因の1つです。バイクに乗るときは、近い距離であっても、警察官がいない道であっても、ヘルメットは身の安全を守るために着用が必須です。

バイクやバイタクは確かに便利な移動手段ですが、くれぐれも事故にあわないようお気をつけくださいませ。