就業時間は守らなくて当たり前なのか
社規定に就労時間は定められていますが、この就労時間を守らない会社が多いのは日本の悪しき文化だと思います。皆さんの会社は、規定された勤務開始時間から勤務を開始し、そして勤務修了時間で帰宅できる会社でしょうか?
日本にいたときに勤めていた職場は、9時~17時30分という就業時間と社規定で定められていました。そして昼休憩は12時~13時の1時間が設けられていました。確かに勤務時間自体は8時間弱と言うラッキーな職場環境でした。
ところが、この会社の朝の悪しきルールとして、8時55分から各部署ごとで毎日朝礼を実施することが義務付けされていました。勤務開始時間が9時から開始であるにも関わらずです。
実際に社畜として働くなら、会社の指示に従うのは絶対であり、指示を守れない場合には厳しい評価で査定を下げられるのかもしれません。そのため社員たちは陰では文句を言いながらも、渋々朝礼に毎朝参加していました。
上司の一言「始業15分前に来社すべし」
私は毎朝の朝礼が始まる直前に出社していたのですが、ある日に上司から「始業時間の15分前に出社しろ!」と説教されました。思わず「ファッ!?」という返答を人生で初めてしたことを覚えています。
始業時間は9時からです。当然ながら毎朝就業開始の5分前、8時55分から朝礼が始まります。私はだいたい朝礼の開始前までには、遅れないように会社に到着するよう心がけていました。当然ながら、遅刻はしたことはありません。
ところがある日、上司に呼ばれて彼の元に行くと、「いつも就業開始前のギリギリにオフィスに到着するのは感心できませんね。日本人なら最低でも15分前には出社するように!」との、ありがたい迷惑なお言葉。
私も別に揉め事を上司と起こしたくないので、「承知いたしました」とは返答しました。ただ、15分前と言う時間設定が意味不明であったため、そのことを聞き返してみたのですが、上司からは「15分前に来社するのは常識」という更なる有難い回答を頂く始末。
「自分の常識、他人の非常識」とはこのことでしょうか。何の根拠もなしに他人に自分の意見を押し付ける上司に、残念ながら失望したことを覚えています。
就業時間外労働に対する経営層の指示
上司から15分前に来社するように言われてから、一応は15分前には出社するように努めました。当然ながら、15分前に出社したからといって、何も変わるわけでもありません。
上司から説教を受けた出来事があってから数年たち、自分自身が管理職として、部下の就業時間を管理するようになったとき、就業時間についての通達が経営層から届きました。内容は「全社員は就業開始15分前には出社すること」というものでした。
このときに初めて、以前に上司から15分前に出社するように指導を受けていた理由がわかりました。つまり、上司も会社の支持に従わざるを得なかったのだと。そのような訳の分からない通達を上司に強要するような会社には見切りをつけて、私は海外での転職を決意することとなりました。
今思えば、その会社を退職するときにでも、その経営層からの通達を労働基準監督署に報告に行っていれば、と思い出しては思ったりもします。
海外での実際の終業時間に対する考え方
海外では終業時間に対する考え方は多種多様です。日本人のように勤務開始時間前には業務開始できる状況をつくり、終業時間を過ぎた後でもサービス残業は厭わないという考え方を持っている海外の人は、割合としては非常に少ないと思います。
海外で働いてみて思うのは、各スタッフは自分の与えられた職務に対して、成果を出すことに集中している、ということでした。普段は出勤時間に対してルーズにしている社員でも、成果を出すことに対しては真剣に考えているような人もいます。
一方で、勤務開始時間から終了時間までの就労時間をしっかり守っているけれども、まともに仕事をせずに、自分の好きなペースで仕事を進めていくような人もいます。
海外では日本とは違う多様な環境の中で仕事を進めていくことが必要です。海外で管理職として働いた場合、日本だったら簡単に管理できることも、そうではないことも多くあります。そういう意味で、マネージメント能力を育成できる場としては、海外は凄く良い環境なのかもしれません。
就業時間内の業務効率化は絶対
就業時間内で業務を回せる事は非常に重要なことだと思います。決められた時間内に業務が完了できていないのは、何に問題があるのかを明確にして改善する必要があります。例えば、やり方に問題があるのか、人的なリソースに問題があるのか、作業環境に問題があるのかなど、課題を見つけて解決策を実行することです。
グローバルな環境でビジネスを展開する現在では、就労時間を意識することは非常に大事だと思います。会社としての業務の効率化を目指すために、様々な課題を洗い出すだけために決められた時あ間内に成果を出すことは必須です。または、従業員との就労環境におけるトラブルを未然に防ぎ、職場環境の満足度を向上させるためには当たり前のことです。
今後のビジネス環境においては、先ず就労時間に対する考え方はまずます重要になってくると思います。就労規定を逸脱したサービス残業の撲滅をはじめとした、職場環境の整備です。一方で、時間を守ることを徹底させるために、経営層や管理職がかける手間も増えてしまうため、面倒な管理コストが増えてしまう可能性も否定できません。
やはり、自由な環境で働けて、文句のでないような職場が良いですよね。
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