タイではブラック企業は少ない?
タイに進出している日系企業では、タイ人従業員にサービス残業させるような会社は先ずないと思いますし、基本的に時間外手当を支給していると思います。一方で、日系企業で働く日本人は、サービス残業や、休日出勤をされている方が多くいるかもしれません。
確かに社内の労働条件をしっかりと守っている日系企業は、タイ人だけでなく日本人に対しても残業代や休日出勤手当てを、勤怠管理情報を元に支給しています。
日本でも労働基準法をしっかり守る会社ばかりになれば良いと思いますが、なかなか簡単にはいかないようですね。
タイでもマネジャーなどの管理職以上は、基本的に残業代や休日出勤手当ては支給されません。その変わりに、管理職以下の方よりも高い給与や待遇が与えられています。
残業代を支給する弊害
私の知るタイの日系企業のおいて、管理職未満の職員全員に対して残業代と休日出勤手当てを支給している会社がいくつもあります。
当然ながら残業や休日出勤は、管理職の上司による承認が得られて、初めて労働と認められることになります。
一方で、残業代や休日出勤を支給する変わりに、基本給が低く設定されている問題があります。会社からの言い分では、頑張って残業や休日出勤することで月給がアップするからだそうです。そのため、頑張って残業や休日出勤をすることを奨励しています。
確かに残業や休日出勤の手当てが出るのであれば問題ないのですが、残業や休日出勤ありきの労働条件というのも、何か納得できないものがあります。
低い給与のタイ人たちは、残業や土日の休日出勤を積極的に行い、少しでも月給を増やそうと努力しています。一方で、管理職は彼/彼女たちの仕事内容や成果については関心は示さず、長時間働いていることを良しとするだけです。
効率化を2の次とする大企業病
先述した、残業や休日出勤を良しとする会社には、日本では大企業と呼ばれる会社に多いと思います。
知人の話ですが、人事考課の際に会社へ給与アップを申し出たとき、人事のトップ(日本から出向でタイに来ている駐在員)から、「給与をアップさせたかったら、残業または休日出勤すればよい」という頓珍漢な回答をされたそうです。
用もないのに、残業や休日出勤を増やすことで給与をアップさせることを暗に認めている変な会社です。
日本では大手企業の1つです。ところが、近年のその会社の売上は停滞、もしくは下降しているのは決算報告でもあきらかになっています。
現場の従業員1人の給与が安いからかもしれませんが、残業代や休日出勤手当てなどのコストに対する問題意識を持てない会社は、今後の成長において苦労すると思います。
スケジュール管理が出来ない会社
タイ人と一緒に仕事をしていると、仕事中にFacebookやLINEを楽しんでいる人が多く見かけると思います。会社としても、FacebookやLINEなどのSNSを私的に利用することを、公然とは許可していませんが、特にお咎めなしのようでう。
一方で、仕事でもお客さんとの連絡にLINEを使用したりすることを認めているため、仕事とプライベートの境界が曖昧になっていることも考えられます。
普段はダラダラとSNSを楽しみながら仕事をしていれば、仕事もダラダラと時間が掛かってしまうのは当然だと思います。しかし、タイ人は給与をアップことを考えるときはとても頭の回転が速いと思います。実はSNSなどでダラダラ仕事をするのも計算のうちです。
例えば、営業日の営業時間内にできるであろう業務依頼も、「仕事が立て込んでいるから、土日に対応します!」として、休日出勤手当てを得ようとする人も多くいます。かといって、忙しいのかといえば、通常営業時間はFacebookやLINEで友達と連絡を取っているのですが。
タイでは安い賃金で雇える人がまだ多いため、このようなビジネス慣習がまかり通っているのでしょうか。また、失業率も1%を下回るような昨今の状況ですので、離職対策としてある程度は許容し、締め付けないことが大切なのかもしれません。
優秀な社員は別のところで稼ぐ
タイにいる優秀な社員は、残業や休日出勤をしなくても、高待遇の条件を獲得しているため、低所得者との格差が社会として進んでいるのが最近の状況です。当然、高収入なので、株などの投資にも積極的です。
一方で、一般の社員でも副業(アパートの賃貸しなどの不動産投資、物売り、飲食店の経営など)で、本業以上に稼いでいる方もいたりします。場合によっては、親の事業を手伝ったりとか。
いずれにしても、労働は定時で終わって、収入も良い職場で働けるのがベストですよね。
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