平和に会議を終わらせようと議論を先延ばしにする悪い習慣とは

会議で重要なのは議論すること

社内/社外の関係者と実施する会議は、業務において重要な役割を果たしています。開催される会議の目的は色々とありますが、その会議内で関係者が何かを決定するために開かれることが会議を開く目的であると言えます。例えば、次のような目的のために会議が開かれます。

  • プロジェクトの進捗状況と今後のアクションプランの決定
  • 次年度の予算項目と金額の決定
  • 顧客クレームについての対応策の決定
  • 新商品のマーケティングプランの決定
  • 新規事業のビジネス計画の決定

会議で重要なのは、何かの議題(Issue)について議論し決定することです。議題は必ず開催される会議において一番重要な項目ですし、この議題があって初めて開催されるべきです。そして、議題について討議し、最終的に何かを決定することで初めて会議といえます。

皆さんの会社には、何も決まらない無駄な会議はありませんか?

情報共有だけの会議?

私が一番参加したくない会議というのが、何も決定する事項のない会議です。

会議を開催する責任者は、その日の議題を事前に考える必要がありますが、無駄な会議を開催する責任者は、議題ではなく単なる報告事項を列挙するだけです。実際の会議でも、報告事項を説明するだけで、会議参加者に何か質問や意見はありませんか、と確認するだけ。まったく議論する場になっていません。

そのような会議なら、メール等で情報共有し、意見はメールで受け付ければよいと思います。

確かに、回答率はメールでは低くなるなどデメリットはありますが、会議を開催する趣旨とはズレるように思います。会議は何かしら決定すべき議題が必要であり、メールなどを使っても短時間で結論を付けられない場合に、会議を開催することで効率良く結果を出せるといえます。

会議参加者の中には、ただ呼ばれただけで参加しており、特に目的意識や意見、考えがないまま参加している人がいることもあります。そのような無駄な参加者を増やさないためにも、必要最小限の関係者だけで会議は開催されるべきです。

海外における会議の進行に重要なのは議論

海外の方々と会議を開催する場合、多くの場面で共用語になる英語を使って議論を交わすことになると思います。そのような中で、それぞれの会議参加者が問題意識をもって、自分の意見をはっきりと発言することが求められます。

たしかに、非ネイティブスピーカーたちの立場になれば、英語を流暢に話すことは出来ないかもしれません。ですが、英語が上手に話せないからと言って、何も発言しないことは、自分が無能であることを意味してしまうこともあります。英語で自分が発言すべきことは、その会議に自分が参加した意味をなすためたいへん重要です。

私は現在タイで就労しています。タイで会議に参加する場面では、日本人とタイ人が混在して会議が開かれることが多くあります。当然ながら会議は英語で進められることがほとんどです。確かに会社によっては日本語とタイ語で会議を開催し、通訳担当者がそれぞれの発現を訳して意思疎通をはかることもあります。

いずれにしても、会議で大事なのは言語ではなく、相手に何を伝えるのかであり、そのうえで議題に対して参加者で討議することです。結局はグローバルビジネスにおいても、何を決めるかが最優先されます。

言語が理由で会議の意味がなくなるケース

会議に参加する人の中に英語が堪能で、かつ問題点をどんどん指摘するような人がいた場合、あまり英語を得意としない日本人の管理職の人たちから粗野に扱われることを今まで目にしてきました。

優秀なタイ人の方が、英語で問題点とその理由を説明しても、日本人が英語を理解していないため、発言についていけず、何を回答すればよいのか困ってしまう問題が発生します。そして最悪の結果としてよくあるのが、日本人が仮にその発言したタイ人よりも役職が上だった場合、「その議題は後でまた検討しましょう」といって重要な議論を先送りにし、後になっても問題点を議論しないまま終わらせてしまうことです。

傍から見ていて、議論できないことは課題を先送りにするだけでなく、問題点を指摘したタイ人やその周りの人から、「結論を出せない人」という烙印を押されてしまいます。役職は上でも仕事の出来ない人として、周囲からの信頼を失ってしまいます。

会議ではこのような問題の先延ばしをすることは致命傷ですし、せっかくの会議が台無しになってしまいます。

会議の運営方法の見直し

会社によって会議の進め方には色々とあると思いますが、やはり議長に誰がなるかが非常に大切だと思います。

議長は、その開催された会議の議題について背景から現状までを一番よく理解しており、議論を取りまとめられる人物が担当する必要があります。また議長だからこそ、一番わかりやすい議事録を作ることができると思います。

私は日本の会社で経験した、新人だから議事録をとる書記係にならされることを疑問に思っています。会議の場では現状を全て理解している人が、その場で重要点を議事録としてまとめ、今後の行動計画まで決定できることがベストだと思います。

会議が終わった後に、議事録を作成するようでは、結局何が決まって、今後何をするのかが曖昧にもなると思います。

会社内で無駄な会議が開催されていないのか確認し、不要な会議はなくしていくべきです。そうすれば、スタッフ全員の時間を無駄に奪うことなく、本来取り組むべき業務に集中できますし、結果として業務の効率化に貢献すると思います。