風邪などの病気で休養が必要なのに出社して仕事する理由とは

病気でも出社することを強要する日本の悪しき文化

皆さんの会社は、病気のときでも無理してでも出社することを強要するような文化がありますか?あるいは、病気で体調が悪いときでも出社すれば、頑張っていると評価されるような会社でしょうか?

私が以前に日本で働いていた会社では、病気のときにも休まずに出社して業務に取り組むのは、たいへん素晴らしいことだという考え方がありました。確かに病気になるのは体調管理が出来ていないため、反省する必要もありますが、100% 防げるものでもありません。

ただ病気でも仕事するのは当たり前、仕事が何よりも優先事項、という日本の悪しき文化は早くなくなって欲しいと常々思います。特に管理職以上の方がそのような考えを持つと、部下が病気の際に休み難い状況となってしまいます。

海外では Sick Leave で休養するのが当たりまえ

以前に投稿した記事でも紹介しましたが、海外ではSick Leaveが社規定にあるのが当たり前です。そのため、風邪を引いた時には皆、Sick Leave を使って有給で会社を休み、しっかりと休養します。逆に休養を取らずに出社するような人は自己管理が出来ないと考えられてしまいます。

病気時の休暇届「Sick Leave」のおかげで年次有給休暇は余暇に活用

日本には Sick Leave なんて制度がないと言ってしまえばそれまでですが、病気のときに無理してでも出社することを認めているような上司は如何なものでしょうか。上司は管理職なので、部下の体調管理も含めて管理する必要があり、体調が悪い社員には休養を取るように指示すべきです。

また、日本もグローバル化を進めているのでしたら、Sick Leave を取り入れるような柔軟さがあっても良いと思います。ただし Sick Leave という制度を知らない人も多いと思いますので、今後は Sick Leave の認知を広めることから始める必要があるかもしれません。

病気にも関わらず出社することの無意味さ

病気になっているにも関わらず出社し、仕事することにはメリットはないと思います。むしろデメリットばかり。例えば以下のような例です。

1.病気を他の社員に広げる可能性あり

風邪を引いているにも関わらず、無理して会社に出社するような場合、本人は良くても、周りにいる社員にとっては迷惑千万です。

風邪なら他人にうつす可能性があるため、結果的に他の人に迷惑をかけるかもしれないのに、自分の都合で出社する人は何を考えているのかと思います。

よくインフルエンザのシーズンになると、1人がインフルエンザになると、オフィスの近くにいる人たちが連鎖的にインフルエンザになってしまうことがあります。これも、最初に感染した人が無理して出社するようなことがあるため、結果的に周りの人にも感染させてしまうのだと思います。

風邪を引いたときには上司が積極的に自宅療養するようにと指示すべきです。このような考えが日本には根付いていないのは残念です。

2.体調不良時に仕事ができるのか

マスクを着け、ゴホゴホと咳をしながらオフィスで仕事をしている人を見ると、作業効率は問題ないのかと疑問に思います。

体調が悪いときは休養を取り、少しでも早く回復をすることが先決だと思います。体調不良で仕事の効率が上がらないのなら、いっそのこと思い切って休暇を取得し、早く病気を治すほうが得策だと思います。

たしかに重要な仕事が滞るなどの理由があるかもしれませんが、それをカバーできないような業務体制は見直しの対象とも考えられます。

1人の社員の病気が原因で仕事が進まなくなることを組織的な問題と考えずに、病気になった社員のことを責めるような会社は信用できません。そのような会社はブラック企業として行政の指導が入ればよいのにと思います。

以前の会社での出来事ですが、ある上司が「今日は下熱剤を飲んで熱を下げて仕事に取り組んでいます(ドヤ顔)!」と言っていたのを聞いて、まったく理解できなかったことを思い出します。更にその上司の上長が「よく仕事を頑張っているので、頼もしい!」と何故か大きな声で社員たちに聞こえるようにアピールしていました。

働き方の多様性を見直す

最近では、インターネットの普及によって、自宅でも会社のメールを閲覧できるような環境の方は多いと思いますし、会社のPCを自宅に持ち帰って仕事するような人も多いと思います。あるいはリモートデスクトップを活用し、会社の作業用PCに自宅からアクセスして作業できたりすると思います。

このような IT ツールの普及を上手く活用して、何かあったときに自宅でも対応できるように社内システムを整備しておく必要もあると思います。そうすれば、病気のときに会社に出社せずとも、自宅で他の社員に病気をうつす心配も無く必要最低限の業務に対応することができると思います。

仕事への取り組み方は、必ずしもオフィスに出社して業務をする必要も減ってきていると思います。各会社において、最適な環境で働けるように組織改革をすることも視野にいれておいたほうがよいのではないでしょうか。

タイでも自宅からのリモート勤務は当たり前

タイでもインターネット環境が格段に良くなっています。最近では自宅からリモートで仕事できるような環境を用意している会社も増えています。家庭用のインターネットでも通信速度(大域幅)が共有で 1Gbpsもあるような環境も用意できるようになったためです。

是非に多用な環境で勤務できることを許容するような会社が増えればよいと思います。一方で、どこでも仕事の環境にアクセスできることは、休みの日でも仕事の対応をしなければならない状況に陥る可能性も否定できませんので、ルール作りもしっかりしておく必要があります。

それにしても、横の席の人がインフルエンザに感染したと自慢しながら出社してきたにはさすがに切れました...。